第41章 喧嘩
私は
感情のまま
強い口調で言い続けた
「見つかったら大変な事になるの
分かってますよね
それで、来れなくなったのに!」
自分の怒りを止められなかった
大倉「ごめん....」
彼が申し訳なさそうに俯く
「もう、こんな事は
二度としないで下さい!」
私のその言葉が
今度は彼の怒りに
火を点けたのだ
大倉「なぁ、俺が心配するのが
そんなにアカンのか?」
彼の強い口調に
私の怒りも上がってしまう
「誰もそんな事を言ってません!」
大倉「なんやねん
虐められてたらと思って
心配やったのに....」
私は彼を睨み続けた
大倉「そんな事を言うなら
何があっても二度と行かんわ!」
彼の気持ちを聞いても
反省しない私に
彼も怒りを顕わにした
その私たちを見るにみかねて
彼女が間に立った
「ちょ
二人とも落ち着いてくださいよ
一回、冷静になりましょう?」
彼女は私と彼を交互に見た
大倉「君には本当に悪いけど
今日は
このまま帰るわ....」
「えっ」
彼女はその言葉に驚いて
私を心配するように見てきた
でも
私もなぜか意地になっていたので
彼の顔を見ないように横を向いたのだ
それが余計に
彼の腹立ちを大きくさせ
大倉「明日から
撮影に入るから
終わるまでは会えんので
そしたらな」
その言葉だけを残すと
私たちの元から足早に去って行った
残された私の横で
彼女はため息をついた
「本当に
これでいいんですか?」
意地になっている私を
少し呆れるように
冷静に見つめていた
「いいの....」
私は
怒りに任せている感情を抑えようと
必死だった
この夜をこれから
何度も後悔するなんて
知らなったから
初めて
愛する事で
馬鹿な感情に振り回され
本来なら
する事もない喧嘩を引き起こす事があると
知った
愛してるから起きてしまう喧嘩の
悲しみの道を進んでしまったのだった