第4章 敬天愛人!?クミコ様*
「運動の得意やけん
たいいくなんてえずくなかし
森なんか行ったらいっぺんに
さんわもふとか鳥ばつかまえられると!
こぎゃん完璧なひと
こん世におるかわからんけんちゃよ!」
「え、えずくなかし…っ?」
話すスピードが
早くなってきて、さらに
会話が聞き取りにくくなる。
ついに頭が混乱して
警報を鳴らし始める。
「怖くないという意味だよ」
「!管理人さんっ」
気づくと、
隣に管理人がいた。
優しく微笑んで、私を見る。
「博多弁はなまっているし、
わからない言葉もあると思うから、
後で僕と一つずつ
理解していこう。」
「はっ、はい!」
ああっ…本当に
なんていい人なんだっ
私は嬉しくて涙が出そうだよ…
(まあそれは大げさだか…)
「愛ちゃんはむろざしかか!
管理人もぶちやさしくて好いとー!
ばってん1番は氷くーばい。
うちは氷くーんためなら
人ばくい殺しゅこつもきるんやけんっ」
「食い殺す!!?」
「水もそこまで氷が好きなのかぁ」
水は、冗談じゃないよと
いうような瞳を見せた。
そこまで氷のことが好きなのだろうか…
「あ、ついでに忘れてたが、
水は結構ブラコンだ。気をつけて」
管理人がわざとらしく笑う。
絶対に忘れていなかっただろう…
私の反応を見たくなったのだ。
「だからそーいうことは早く言ってください!」
これだからわからなくなる。
管理人とはいったいどんな人なのか。
私の胸は、沢山の不思議と体験で
息ができないほどいっぱいになっていた。