第4章 敬天愛人!?クミコ様*
水と氷の2人に近づくと、
まだ水は頭を撫でてもらっていた。
兄妹だなぁと
思わせる光景に、自然に
表情が緩んでくる。
白石に耳元で
「挨拶したら?」と言われたので、
少し緊張するが挨拶してみた。
「お、おはよう…!」
私の精一杯の声に、
水は気づいてくれる。
そして、可愛らしい笑顔で
「おはようさん!」と返してくれた。
マスクで口はわからないが、
その笑顔に恥ずかしながらキュンと来る。
水は、銀髪の髪に
黒のカチューシャをしていて、
長いポニーテールだ。
綺麗に髪はまとまっているので、
案の定耳が丸見えだ。
彼女は、普段は
帽子で隠しているらしいが、
それ以外では、カチューシャに
ついていた飾りだとごまかしているらしい。
本当に大変なのだ。
そんな彼女とは、
すぐに仲良くなった。
「水ちゃんは、氷くんのこと好きなの?」
「好いとーに決まっちるやろ!」
「やっぱりお兄さんだから?」
「そいだけじゃなか!氷くーは
誰ちゃりも優しくて誰よりもかっこよかやけん!」
「そ、そうなんだ…!」
…何を言ってるのかわからない!
水は、恐らく
氷は誰よりも優しく誰よりも
格好良いと言っているのだろう。
だが、時々まったくわからなくなる。
確か、管理人の話では、
「水は少し
違うが博多弁を使うから気をつけろ」
と言っていた。
ということは、
氷も博多弁を使うのだろうか?
考えていると、
水がベラベラと氷のことを
沢山話し始めた。