第4章 敬天愛人!?クミコ様*
その後、管理人が
何処からか刺身包丁を
もってきて、なんというか、
マグロの解体ショーというのか、
いや、これは鷹の解体ショーだ。
とにかく、
鷹の解体ショーが始まった。
「勝手にさばいちゃったりしていいんですか?」
私は、隣にいた
白石にそっと耳打った。
白石は、その猫のような
口の両端をくいっと上げて笑う。
「大丈夫大丈夫~
このクラスは説教もありすぎだから」
「えっ?それ
ダメじゃないですか!!?」
「まあ、問題児ぞろいの
このクラスにとって
説教なんて屁でもないよ」
「屁も何も怒られるのは嫌です!」
私は白石に向かって叫ぶ。
すると、わざとらしく耳を塞いで
白石はケラケラと笑った。
「吠えない吠えない、愛ちゃんほら、
もうすぐで鷹食えるよ!」
そういって指を指す。
…話を逸らした…!
そう不満に思いながらも、
私は白石の長い指の先を見た。
管理人が、一所懸命
鷹をさばいているのが見える。
(さばいていいものなの…?)
といっても、
管理人のさばき方のうまさに
感動した私だった。