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* クラス管理はお任せを *

第4章 敬天愛人!?クミコ様*





水は相変わらず氷の
話になると、目をにっこりさせる。

好きな人の話になると、
やはり人は気持ちが高ぶってしまうのだろう。


彼女の話す博多弁も
可愛くて、なんだかとても癒された。



「さっきはえらい申し訳なかやったぁ
 しゅぐにくらくらこくんはうち
 つぁーらんところたい。わかっちいるんに
 直されんおれの情けなかたい…」


「すぐにカッとなるのは
 私のわるいところだと言ってるぞ」


「そんな…
 氷くんのことがそれ程
 好きだってことだから、気にしないで?」


「そー?ほんなこや?」




不安そうな顔をする水に、
私は微笑みかけた。

管理人も、「そうだぞ」と言う。

すると、水は気をよくしたのか
笑顔になって自分の鞄から何かを取り出した。



…!!!?


たっ、鷹っっ!!?



「こっ、これはどうしたんですか!?」




なんと、水は
鞄からバスケットボール2個分程の
鷹を持ってきた。仕留めてきたのだろうか?

あ、だからあんなに
制服が汚れていたのだ。


嬉しそうな顔をして、
私と管理人の前に鷹を差し出す。



「これいげる!
 ほんなこつは今日んお昼に
 しちゃうっち思っちいたんばってん
 ふたりにいげるか!!

 うちは氷くーばつのうて
 また狩っちくるからよかよかやし!」


「僕らにこれをくれるって、」

「た、鷹…って
 どう食べるんですか…ね、」



手渡された鷹をふたりで
見つめていると、水は
にこにことした顔で

「そいやまたね!
 今度はふとか猪狩っちくるか!

 授業は11時から出るっち、
 先生に伝えっちいて!いっちきましゅ!」


と言い、
すばやく窓から
飛び出してしまった。

冷たい風が教室へ入り込み、
クラスメイト数名が「わあっ」と
突然の風に驚いていた。


その後、白石がひょこっと顔を出す。


「おっ、何その鷹、
 相変わらず水ちゃんは男前だねぇ」







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