第4章 敬天愛人!?クミコ様*
「なんだ、水が来たのか」
そんな私達を助けるように
声を出してくれたのは、
そっけない顔をしている管理人。
私は管理人に、
あの子は誰ですか、と聞いてみた。
「ああ、水はだな、」
その途中、はっと
管理人は話を止め、黒いファイルを出す。
咳払いをひとつしてから、
水の話をし始めた。
「べ、別に普通に
話してもらってもいいんだけどなぁ」
「管理人の
プライドを否定しちゃダメだよ、」
・♪・
「彼女は 水穂(みずほ)
水は氷の双子の妹だ。」
「妹さんですか!?」
改めて2人をみると、
確かに同じ銀髪だし、
目元が似ている気がする。
双子ということは、水も…?
「ああ、水も狼。人狼だ」
「やっぱり…」
「あの2人は
訳があってここにいるんだよ」
「訳?」
気になって聞き返すと、
管理人が険しい顔をした。
「白石、あまり口走るんじゃない」
「悪リィ悪リィ、
まあ俺も訳は知らないからさ、
てか知ってるの管理人だけじゃん?」
「そ、そうなんですか…」
管理人は・・・
きっと人の秘密を話すことはないのだろう。
気になって仕方がないが、
我慢することしか出来ないと思う。
顔に出ていたのだろうか、
管理人が申し訳なさそうな顔をした。
「まだ、待ってくれ」
「え・・・?」
「まだ、いう時じゃないと思うから…」
こんな私を思ってくれたのだろうか。
管理人はそう言ってくれた。
…そういう些細な優しさがあるから
何故か胸がときめいてしまうんだ…