第4章 敬天愛人!?クミコ様*
「氷くんは
こんな見た目だけど、
ちゃんと優しい子よ」
私の後ろにいたクミコが、
微かに微笑んだ。
暁もうんうんと頷いている。
「愛は、」
「…!!」
管理人の声に
私は目線を向けた。
「愛は、氷のことを
認めてくれるか?」
「・・・」
…認める。
なんだか、その言葉の
意味は深い気がした。
狼、しかも人狼。
こんな人が学校にいて、
もしある人たちに見つかったりしたら
危険だ。きっと、皆もそう思っている。
なら、何故
皆は氷を受け入れている?
ふわっと、
脳裏に言葉が過ぎった。
―――このクラスに来た者は全員家族だ
ああ、そうか。
家族だから、
認める認めないなんて
関係ないんだ。
私はスッキリとした顔で
管理人に返事を返した。
「氷くんは家族です!!」
管理人が、
とても優しく微笑んでくれた。