第4章 敬天愛人!?クミコ様*
「人間じゃないって、
どういうことですか!!?」
お腹の底から声を張り上げた。
白石は耳を塞ぎながらも、
クスクスと意地悪く笑っている。
というかいつの間に…っ
白石と目があったと
感じたとき、キッと鋭く睨んでやった。
「氷は狼、人間じゃあない。
だが、最もというなら
《人狼》だろうな。」
私の目を見て
話す管理人は、少し真剣だった。
「…」
氷も、私をスっと見る。
青色の瞳が印象的だ。
だが、その次の瞬間に
私は驚きの声をあげる。
なんと氷の頭には、
狼の耳らしきものが見えたのだ。
銀髪の髪に埋もれて
見えにくいが、確かにあれは耳。
氷の呼吸に合わせて、
ピクピクと動いていた。
「…本当に狼なんですね」
「…」
氷は、何も答えない。
ただじっと私の顔を見て、
そして、顔をそむけてしまった。
…信じられない。
まさか、私のクラスに
人間ではない人がいるなんて。
人生でもう二度と出会わないであろう。
こんなことには。