第4章 敬天愛人!?クミコ様*
「すまない、氷」
「…」
銀髪の少年は、
キツかった目元を緩ませると、
こくん、と頷く。
それを合図に、
管理人はバラッとページをめくった。
「彼の名前は 氷河(ヒョウガ)
クラスの中では
四番目に背が高く、
非常に運動神経がいいぞ。
普段喋ることはないが、
とても優しいやつだ。」
「…氷さん…!」
あまり聞かない名前なので、
私は興味をもった。
にこっと氷に笑うと、
彼はつんとした態度でそっぽを向いてしまう。
その反発的な態度に、
私はひどく落ち込んでしまった。
「…ううぅ」
「愛ちゃん…っクっ…」
爆笑するのを抑えている
白石に気づくと、無償に腹が立った。
「だが、氷の
つけているマスクはとってはいけないぞ」
忘れかけていた管理人の
紹介に、私は「えっ」と注目する。
マスクをとってはダメなのか…?
なぜ…?
「まあ理由は簡単だ。
氷は人間じゃない。狼だ。」
「えええええ!!!!!!???」
私は二度の
驚声を上げた。