第4章 敬天愛人!?クミコ様*
管理人は
私達の反応を確かめると、
何処からともなく
あの分厚いファイルを取り出し、
バラバラっとページをめくった。
「彼女の名前は
玖美子(くみこ)
冷静沈着で頭も鋭い。
そしてこういう占いの技が匠だ。」
クミコに視線を向けると、
大人っぽい笑みを浮かべる。
「うちのクラスもそうだが、
学園の約三分の一の生徒は
彼女の占いの信者でもあるぞ。」
「ええ!!?
それってすごくないですか!!?」
彼女はどれほどの
才能の持ち主なのだろう…
私の頭は、恐怖なんてすっ飛んで
すごい!という感情で溢れかえった。
「そんな奴だが、
ひとつだけ欠点がある。」
「欠点…?」
管理人はファイルをしまうと、
おもむろに彼女を指さした。
「奴は…
極度の S だ。」
「…へ?」
私は、
一旦思考が停止した。
えええええええええええ!!!!???
Sっ!!?
Sってあの!!?
嘘っだって
こんなに綺麗な女性が…!!?
あっ…けれどさっき…
――――いじめたくなるじゃない
あー…
私は、
ゆっくりと正気を取り戻した。
彼女がSだということを
納得したのだ。
…随分おかしな人に出会ってしまった…