第4章 敬天愛人!?クミコ様*
そこは、いかにも
占いの館、だった。
薄暗い空間の中を
ユラユラと照らすライトの光。
壁には、沢山の
タロットカードが貼られている。
お客が座るための席。
前の机には布が掛けられており、
その上には透き通った水晶と
黄金色で書かれた魔法陣が。
…そして、
堂々と座っている『占い師』
「あら、管理人じゃない」
声によると、女性だ。
大人っぽい…色気のある響きだった。
管理人は小さく頷くと、
手前にある椅子に腰をかけた。
占い師の少女は
かぶっていたフードを脱いだ。
私は目を奪われた。
「…綺麗」
占い師の少女は、
とても美人だった。
アッシュブラウンの髪は
綺麗なショートボブに纏められていて
大きい瞳は、大人の女性を意味させる。
白い肌は、
とてもサラサラしていそうだ。
その容態に見とれていると
彼女がふふ、と笑った。
「綺麗なんて、ありがとう。
貴女確か転校生よね?」
目上の人に話しかけられたようで
上手く話ができない。
「え、えとっ!
愛といいます!!!」
「あら、緊張してるの?
可愛いわねぇ」
少女は机に肘をつくと、
私のことを舐め回すように見つめた。
…体が固まる。