第4章 敬天愛人!?クミコ様*
「いってらっしゃ~い!」
「ありがとうございました。」
「い、行ってきます…」
食事をし終わった後は、
母にうっとおしい程私と管理人の
関係を聞かれ、
ようやく話が終わった時には
私に滝のような疲れが押し寄せていた。
眩しいぐらい快晴な空が
随分と憎たらしく見える。
「すまなかったな」
「へ!?」
横を向くと、
管理人がしんみりとした顔で
微笑んでいた。
不思議に感じた私は
頭にハテナマークを浮かべる。
「勝手に君の彼氏と
嘘をついて悪かった。
嫌な気分だろう?」
「そんなことありませんよ!
うちの母がすみませんでした…」
「そうか…良かった。
愛のお母さんも、とても
元気な人じゃないか。」
「はい…でも、
結構幼稚な部分があって…っ
やっぱ少しだけ年が若いからかな?」
「若さは大切だよ。
お母さんはその大切さを
知っているんだろう。」
「ふふっ、なんか
ご老人みたいに言わないでくださいよ!」
気がつくと、
大きな歩道橋の前まで来ていた。
どうやらここを渡るらしい。
学生や会社員などが
行き交う騒々しい場を進みながら、
二人で歩道橋を渡った。
「すごい人でしたね。」
「ここはいつも混んでいるからな。
気をつけて進むんだぞ。」
「はい」
管理人の笑顔が見える。
気持ちが弾んだ。