第1章 素敵なクラスとご対面*
「いや、気にしなくていい。
僕の方も突然失礼だった。
君の言うとおり、僕も鳳銘の生徒だよ。」
少年はにこりと笑う。
その笑顔に、私はキュンとしてしまった。
でも、私はふと腕時計を
覗いたところで顔を青ざめた。
8時42分。 遅刻。
「ち、遅刻しちゃったぁ…。」
少年と話している間に、
もう登校時間は過ぎていたのだ。
私は、学校の皆に
笑われている姿を想像して、
がっくしとうなだれた。
だが、はっと気づいて顔をあげる。
私が遅刻というと、
この目の前にいる少年も遅刻になる。
だが、少年は全く焦ってはいなかった。
私は不思議になって、
声をかけてみた。
「あ、あの…。
もう遅刻ですけど…大丈夫なんですか…?」
私の言葉に、
少年は返した。
「ああ、遅刻なら問題ない。
僕は君を迎えに来たのさ。」
「…へ?」
私が聞き返すと、
少年はまた、にこりと微笑んだ。