第3章 ちょっと冷静になってみよう*
「今日は、すごく楽しかったです!」
隣の3人に聞こえる声で
私は言う。そして笑った。
学園から右に真っ直ぐ進み、
四つの信号を左に曲がると、
分かれ道に出た。
どうやら暁と管理人は右に曲がるらしい。
管理人によると、私の家は
左に曲がって進むと見えるようだ。
「じゃあ、ここでお別れだね。」
暁が微笑む。
その隣の管理人が、
少し表情を曇らせながら言った。
「…事故には絶対会うなよ。」
「はい!大丈夫ですよ。」
「いざとなったら俺が
愛ちゃん守ってやるから。」
白石がトンっと胸を叩く動作をした。
だが、管理人の表情はあまり変わらない。
少し心配になった私は、
にっこりと微笑みかけた。
「また、明日も宜しくお願いしますね」
「…、うん。」
「それじゃ、またね。」
「さようならー!」
白石が挨拶をしたのと同時に
私も頭を下げた。
暁は猫のように歯を見せて笑う。
管理人は少しだけ表情を明るくした。
「まったねーっ!!」
「…。」