第3章 ちょっと冷静になってみよう*
反射的に瞑ってしまっていた
瞳を開けると、
私は驚いて固まる。
「えっ…!!?
暁さんに…白石さんっ!!?」
カーテンの向こうには、
暁と白石がベッドに仰向けになっていた。
私は三回程瞬きをする。
管理人も、開いた口がふさがらないようだった。
白石が布団から手を出して
「あーあ、バレちゃった。」と
髪を掻き立てる。
ベッドに近づくと、
白石がにっこりしながら
ピースをしてきた。
「な、何してたんですか!?」
「えー?何って…
ツッキーに聞いた方が早いぞ。」
白石が両手の人差し指で
暁を指す。その動きにまかせて
視線を移すと、
暁が目を♥にしていた。
「ちーちゃん…。」
「…」
管理人は、みるみる
顔を真っ赤にして燃えるように上気していく。
そして、後悔したように
グッと下唇を噛んでいた。
「…くっ、なんで…っ」
「ちーちゃーんっ!!!!」
ガバッと布団が浮き、
暁が管理人に抱きつこうとする。
相当油断していた管理人だったが
すぐにその冷静さに戻ると、
スパッと暁を押しのけてしまった。
「いだだだだだだっ!!!?
ちーちゃん!?ダメっ!!??
そこ俺すげぇいたぃっいだだだだ!!」
「すまない、愛。
お化けじゃなくて HENTAI だった。」
管理人が眉ひとつ動かさずに
暁を懲らしめる。
見ているこちらも痛くなった。
…やはり
相変わらずなんだなあ…
「いや~、
随分といいムードだったじゃない?」
「へっ!?」
はっと気づくと、
白石が腕を組んで私を見ていた。
言葉の意味がストレートに
脳裏に浮かんできて、私は
顔が朱色に染まる。
「いっ、いいムードってなんですか!?」
緊張して聞き返すと
白石がニヤついた。
「え、な~に?
まさか俺に直接言えって?
やー、まさか愛ちゃんって結構―――
「白石。」
「「!!」」
私の顔がさらに熱を持つその時、
白石が言い切る前に
管理人の鋭い低声が響いた。