第3章 ちょっと冷静になってみよう*
別の意味で
また鼓動が速くなる。
おおおっ…静まりたまえ…っ
私は息の呑んで、
管理人に耳を傾けた。
「…尊敬されているなんて…初めてだ。」
「え?」
え?…そこ…??
「そ、そこですか…?」
「?…ああっ
人から尊敬されることなんて
あまり…なかったから…っ」
私は少しの間停止する。
そして、大きく息を吸って、 吐いた。
「そこかぁあああ~~~~~っ」
「えっ!?」
大きな声を出しすぎてしまっただろうか。
管理人も驚いている。
…そうだな、うん。
いくら管理人でも、
暁に好意を寄せることなどないのだろう。
むしろ、同性を好きになるなんて方が
ごくまれだと思う。
…でも…。
(男の子同士の恋愛ってどんなだろう…)
はっと我に返った私は
なんだか踏み入れてはいけない
場所に足をついたような感覚に浸った。
いけない いけない…。
「どうした…?」
管理人の不安そうな声に
私はパッと笑顔を見せた。
「大丈夫ですよ。
それより、管理人さんは
あのクラス全員から尊敬されてますし!」
「えっ!!?」
明るく言った瞬間、
管理人の顔が真っ赤になった。