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* クラス管理はお任せを *

第3章 ちょっと冷静になってみよう*











今、管理人に
膝の手当をしてもらっている最中だ。


彼は優しく、テキパキとした
動きで私の膝に消毒を塗ってくれる。

少しピリッとしみたが、
管理人の真剣な顔つきを見たら

すぐに痛みが薄れていった。




消毒を終わり、
その白くきめの細かい手で

私の膝に包帯を巻いていく。



途中で何回も彼の手が
自身の肌に触れると、恥ずかしくなった。




…この間の沈黙が辛い。




こんなに静かじゃ
私の心臓の音が聞こえちゃいそう…

そんな心配に陥った私は、
平然とした口調で喋りだした。



「管理人さんは、
 手当てが得意ですね。」




管理人が数秒経って
ゆっくりと顔をあげる。

そして、涼しい声で返事をしてくれた。



「管理人さんの得意なことって
 他に何があるんですか?」


「得意なことなんて一つもない。」


「え?だって、
 運動とかもすごい得意ですよね。

 私をおぶって学校まで
 走ったり出来たんですから。」



管理人は一瞬目を逸らすと、
「んー」と言いながら頬を掻く。



「運動も普通だぞ。
 今朝のも、別に
 それ程凄い事ではないだろう?」


「そんなことありませんよ。
 管理人さんは凄い人です!

 暁さんも、そんな貴方だから
 尊敬してるんだと思います。」



少し声が上がって、
早口で話しきってしまった。

管理人は目を見開いている。
驚いているのだろうか、

包帯を巻く手を止めてしまっていた。



「ああっ ごめんなさい。」


「いや、…」



管理人は、なんだか
ぎこちない仕草をして
また包帯を巻きだした。






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