第3章 ちょっと冷静になってみよう*
そして、期待を寄せながら
暁に目をやると。
ギンギンに目を見開いて、
管理人の返事を待っている奴が見えた。
頬をこれでもかという程赤くして
若干…鼻血!?を出している。
…お前はマジ変態乙女か。
そう叫びたいのを我慢して
白石は愛に感謝した。
もう暁には不良の面影など
これっぽっちもない。
つまり。
あ ん ぜ ん な変態になったのだ。
(助かったぜぇ…)
いつの間にか噴きでていた汗を
手で拭い、溜息を溢す。
すると、暁に肩をグイグイ押された。
(ちーちゃん笑ってる!!
ちーちゃん笑ってるよ白石!!)
余程嬉しいのだろうか、
薄暗い毛布の中であるとも関わらずに
眩しく瞳が輝いている。
…まあ、俺から見たら
完全に話逸らしているだけだと思うが。
(良かったな!ツッキー!)
(うん!!ってか
久しぶりにそのあだ名呼んだね)
(そうか!気のせいだぞ!)
(そうだね!今は
ちーちゃんに集中しないと…)
そう笑うと、暁は再度、
目をギンギンに見開いて
二人の様子を伺いだした。
…全く困った奴だなぁ
まるで子供のような
無邪気さを漂わせる暁を見つめる。
…こんな奴になったのも
全部管理人のおかげだな。
今度、ポッキーでも奢ってやろう。
そう思った白石は
大きくあくびをして瞳を閉じた。