第3章 ちょっと冷静になってみよう*
でかいだろう どう考えても。
お前管理人の身長を
馬鹿にしてるようなもんだぞ…!?
あ、これを今言ったらマズいか…
白石は頭の中を整理し、
ゆっくりと息を吐いた。
(で?これからどーすんだ?
あの二人結構いい雰囲気ですけどぉ)
その一言に
暁の朱色の瞳が光った。
(今、良い雰囲気 なんて言った?)
白石は、恐ろしい彼の瞳を間近で
見せつけられ、体が固まった。
…ヤバい。
暁は本当に管理人には目がない奴だ。
そりゃあアッチではないけれども
少しでも管理人を馬鹿にしたり
管理人に異常な程親しくしようとすると
容赦なく昔のような不良に戻る。
その姿は想像を絶する程恐ろしいもの。
一発食らったことのある
白石には、当然わかりきったことだ。
とにかく今は 彼の機嫌を取らなくては。
その時、外の会話が聞こえた。
「あれ、もしかして暁さんに
会いたくなっちゃいましたか?」
(!!!)
愛がクスリと微笑む。
それを見た白石の表情には、
一気に喜色が戻り始めた。
愛ちゃん やっぱ最高!!
まじナイスタイミングだよぉ!!!
心の中で存分に叫び、
暁からは見えない左手で
goodサインを出しまくる。