• テキストサイズ

* クラス管理はお任せを *

第3章 ちょっと冷静になってみよう*






「皆さんいつも
 一緒に帰っているんですか?」



白石が「まあな」と頷く。
一方の暁は、管理人の隣に
ベタっとくっついていた。



「…離れろ。」


「一緒に帰ろ~!」




本当に暁は管理人が好きだなぁ。

そう思いながら二人を
見つめていると、白石が横から

「いつもこんな調子だ。」

と囁いてきた。


口元を見ると、笑っているのがわかる。
確かに、この二人を見るのも
面白いかも知れない。


無意識に、私も口角を上げていた。



「邪魔だ。暑い。
 それに一緒に帰らない。」



管理人の冷たい一言に、
暁が残念そうな顔をした。



「なっ、なんでぇ~!!?」



「保健室に寄る。
 お前と帰るより
 愛の膝の方が大事だ。

 さあ、わかったら白石と
 仲良く先に帰っていろ。」


そうだった。
管理人に、保健室に寄ると
言われたのだった。


すっかり忘れていた私は、
ああ!と目を見開いた。



「うわぁ~!!
 じゃあ俺も保健室寄るぅ~!!!」



暁はまだ
あきらめが足らないらしい。



「暁さんが来ても…大丈夫ですよ?」



そんな彼に、
私は言った。



「ほら!愛ちゃんも
 ああ言ってることだし…っ!!」


「…っそう言いながら
 押してくるなっ力はお前の方が
 圧倒的に上なんだからな…っ」




「あーらら。」



二人がすごくいがみ合っている。
なにかまずいことを言ってしまっただろうか。



「あ…あはは…」



焦った私の口からは、
そんな乾いた笑い声しか出なかった。






/ 88ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp