第2章 おかしなクラス*
「そんな馬鹿に見えるが、
奴は 母子家庭 だ。
バイトをいくつも掛け持ちしていて、
最近体調の悪い母親さんの
看病をしている。
要するにすごく優しい奴だ。」
管理人が笑った。
その横で、カケルが
あわわっと慌て始める。
「お、おい!その情報言うなよ!!」
「優しい方なんですね。」
「!」
私を見て、カケルが口をへの字にした。
そして、少し照れているのだろうか?
頬が赤く染まっていた。
「ま、まあな。」
「…。」
その時、女の子がカケルの
耳をグッと引っ張った。
「いだっいだだだだだっっ!!」
「この馬鹿っ」
「な、んだよぉ!!!」
女の子は耳をパッと離すと、
ふいっとそっぽを向いた。
…機嫌を損ねてしまったのかな…
女の子はなんだか悲しそうだ。
私は少し心配になった。
が、隣の白石が笑う。
「全然気にしなくていいよ。」
「は、はぁ…」
「…続き、していいか。」
管理人がまた
低い声を放った。
…いけないっ
こっちも機嫌を損ねてしまう…
そう感じ取ると、
私達は一緒に頷いた。