第2章 おかしなクラス*
「…絶対管理人さんに
言いますからね…!!」
「うぎゃあ~、
管理人にしばかれちゃうわぁ~」
なんともわざとらしい…。
白石を見て私は思った。
直後、ふらっと
脳裏に何かがよぎる。
あっと、声に出すと、
白石が「なに?」とこちらを見ていた。
「あのっ、白石さんって
管理人さんの本当の名前、
知ってるんですか?」
一瞬白石の顔が変わる。
「あ~、やっぱ気になっちゃうよねぇ」
「…。」
「残念だけど、俺は知らない。」
白石が首を横に振った。
私はやっぱりそうか…と
肩を落とす。
「…。管理人の名前ねぇ。」
「なんで管理人さんは
名前を言わないんでしょうか?」
「あ、ひとりだけ名前知ってるよ。」
白石の言葉に
私は顔をあげる。
「だ、誰ですか!!?」
「…。 暁。」
暁さん…っ
確かに、今までのことを
思い出すと、暁だけ、
おそらく彼のあだ名であろう
「ちーちゃん」
と呼んでいた。
そうか…、
暁だけが彼の名前を知っている。
でも…なぜ彼だけ?
私は頭が働かなかった。