第1章 素敵なクラスとご対面*
「僕を置いて
勝手に話を進めるんじゃない。」
その声に気づくと、
少年が隣に佇んでいた。
い、いつのまに…?
黒いファイルを片手に、
はぁと溜息をついていた。
その直後、暁の目が変わる。
「ちーちゃん大丈夫!?
保健室行く!!?
俺が連れて行ってあげr―――
「うるさい。」
まるで犬のように
しっぽを振っていた暁を、
少年は冷静に、そして
眉ひとつ動かさずに静めた。
暁は大きな瞳を
麗せて少年を見つめていた。
(…こ、これって…。)
私はそろり…と、
白石の制服の袖を引っ張った。
「ん?」
「あ、暁さんって、
あの人のこと好きなんですか…?」
…変なこと聞いてしまった…。
「ああ、キモいぐらいに好きだよ。」
「えっ」
予想外にきょとんとした顔で
答えられてしまった。
もしかして満更でもない感じですか…?
「そ、そうなんですか…」
「…。あ、心配しなくて大丈夫。
暁、ちゃんとこっちの人間だから。
あっちじゃないから安心して。
乙女に変わるのはあいつに対してだけ。」
こっち…?あっち?
お、乙女…?
な、なんの話をしているのだろうか。
段々頭が沸騰してきた私は、
考えるのをやめて只前を見ることにした。