第1章 素敵なクラスとご対面*
「じゃ、じゃあ…
暁さんって呼びますねっ」
「うん、それで構わないよ。」
暁の返事に、
私は安心した。
…すごく明るくていい人だな…。
「そいつのあだ名はツッキーだよ。」
「!」
突然後ろから声が聞こえた。
振り返ると、
そこにはまた違う男子生徒が。
真っ黒な黒髪で、
前髪が長いのか、目が隠れていた。
耳にはピアスがついている。
「…っ」
怖い人かな、と思い、
少しだけ退いでしまった。
「そんな驚いた?ならごめんよ。」
「あっ、いえ…」
緊張した私は
つい声が高くなる。
すると、暁が男を見た。
「おーい白石、
女の子泣かすなんて最低だぞー?」
「泣いてねぇけど…。」
「だ、大丈夫ですっ
泣いてなんかいませんから!」
男がこっちに顔を向ける。
目が見えないので、
私を見ているのかはわからないが…
「まぁ、悪リィな。
俺は
白石 (しらいし)だ。
こいつらからも白石って
呼ばれてっから、白石でいいぞ。」
そう言った彼の口元は、
静かに笑っていた。
(…悪い人じゃなさそう)
私は「はい!」と返事をした。