第1章 素敵なクラスとご対面*
(は、速い…)
私は少年を見て思った。
「うう゛…」
前から聞こえる唸り声に
私はそうだった、と気づく。
そして急いで
しゃがみこんだ。
「だ、大丈夫ですか…?」
男子生徒は私に気づき、
顔をあげる。
「問題ないよ、ありがとう。」
(か、かっこいい…!)
私は、目を見開いた。
彼の顔は、まるでモデルのようだった。
鼻が高く、輪郭も
シュッとしていて、その大きな瞳が
吸い込まれそうなほど澄んでいる。
ワイルドっぽい金髪の髪型が、
日本人離れする程似合っていた。
彼が立ち上がると同時に、
私も足に力を入れた。
「ふぅー、」
目をつぶって息を吐く彼から、
ずっと目が離せなかった。
彼は、私を見て言った。
「随分と見苦しいところ見せちゃったねっ」
「え?あ、いえ…」
返事をすると、
彼は明るく笑った。
「君が愛ちゃんか!
ちーちゃんから話は聞いてるよ!」
「あっ、えっと…
ちーちゃんって、あの人ですか?」
私は、こちらを見ている
少年を見つめた。
「ああ!ちーちゃんはちーちゃんだよ!
紹介遅れたね。俺の名前は
暁 (あかつき)
気軽に話しかけてよ、
いつでも大歓迎だから!」
暁はにっこりと微笑んだ。