第1章 素敵なクラスとご対面*
「…、着いたぞ。」
「…」
私達はひとつのクラスの前で、
足を止めた。
《 1年 3組 》
ここが、私のクラスだ。
新しいクラスを前にして、
私はいきなり緊張しだした。
ごくん…と喉を鳴らす。
そんな私に、少年は微笑んだ。
「緊張…するか?」
「…はい。だってクラスには
どんな人がいるかわからないし…。」
なるほど、と考えるような
ジェスチャーをとる少年。
「でも、それが楽しいじゃないか。」
「え?」
「怖い人がいると思うから怖いんだ。
想像してみなよ。
その扉を開けたら
中には面白い奴らが沢山いるって。」
少年の笑顔から
扉へと視線を移す。
…面白い人達が沢山いる…。
「後のことは心配するな。
今のことだけ考えれば、楽さ。」
私は手をかけ、
思いっきり扉を開けた。