第1章 素敵なクラスとご対面*
「…後で保健室に行こう。」
「えっ?」
「…。怪我が悪化しては心配だ。」
少年はなんのためらいもなく
スラスラと喋りだした。
膝を怪我しただけなのに
そんなに心配しなくても…。
「でも私!こう見えても
痛みには強いんですよ!
怪我だってすぐ治っちゃうし!!」
笑顔を見せながら、
自分はガッツポーズをした。
だが、その行為に後悔する。
少年が、すごく悲しそうに、
そして冷たい顔で膝を睨んでいたのだ。
(…そんなに重症ではないけどな…)
彼に釣られて膝に目をやるが、
少し擦れただけで、
血も滲んではいるが、
それもほんの少しだ。
でも、心配してくれたのは
ありがたいことだった。
「…わざわざ心配してくれたのに
ごめんなさい。」
少年は、チラッと
私の目を見る。
「…、僕も悪かった。
じゃあ、教室に行こう。」
私は彼の柔らかい笑みを
見ただけで、心が軽くなった。
「はい!」