第4章 体育の時間
そして次は射撃の練習。これはなかなか自分でもいけたと思う。遠くから狙っても中距離から狙っても的は外さず常に真ん中を狙うことが出来た。叔父さんも褒めてくれてますます頑張ろうと思った。
最後の時間はVS叔父さんだった。
「前原、磯貝2ポイント。」
ナイフをつかってこれでもかというくらいに叔父さんに当てようとするが、ことごとくかわされるようだ。
「……友喜?大丈夫?」
少し体がだるくなってきた。視界がかすむ。
「うん。大丈夫」
それでもあと1時間辛抱しなければ。
「次、烏間友喜。」
俺の番が来た。俺はナイフ手に取り、叔父さんの方へ行く。
深呼吸をすると叔父さんに向かってナイフを突き出す。叔父さんはそれを払う。それが繰り返された。俺は叔父さんにナイフを投げつけた。
「お前………武器を投げるとは………!?」
叔父さんがナイフを払い除けた方向に俺は既にいて、そのナイフを持ち叔父さんに突き出…………そうとしたところで、俺は意識を失った。
☆☆☆☆☆☆☆☆
驚いた。中々当たらないナイフに嫌気がさし、自暴自棄になったのかと思えば、今度は俺が払い除けるタイミングと方向を予測し、既にその場所で待ち構えていた。不意をつかれた俺は刺されたとそう思ったが、そのナイフは俺を刺すことなく倒れた友喜の手の中に。
「友喜!?」
呼吸が荒く、少々熱がある。
「友喜?大丈夫か!?」
クラスメートたちが心配そうに駆け寄る。クラス行動を嫌うあの寺坂くんまでもだ。
「すまない。俺はこいつを保健室まで運ぶ。あとはお互い組んでやっておいてくれ。」