第4章 体育の時間
そして、今度はサバイバルが始まった。俺が最も苦手なものだ。みんながすいすい行く中俺は最後尾。
「ほら、がんばりな。ここ気をつけて」
俺の前を行く原さんが気にかけてくれる。
「…ごめん。原さんも大変なのに」
「いいって。困った時はお互い様よ。ほらここ掴まないと滑るよ」
前を見るともう既に取り残されそうだ。
「……原さん。俺は大丈夫。今日は時間制限ありだから先行って。」
「………でも……」
「大丈夫。俺も時間までに着くから。」
にこっと微笑むと原さんは、気をつけてねと行って先を急いだ。よかった。これで迷惑はかけずにすむ。俺も少しペースを上げて先を急いだ。
☆☆☆☆☆☆
烏間先生は先に頂上で待っていた。残り時間も後半分。既に着いた生徒は一番早くてこれの4分の1で到着した。中々鍛えがいのある生徒たちだと思った。ちらっとメンバーを見ると、やはり友喜はその中にはいない。元来友喜は体が強い方ではなく、体も細い。時間に間に合うかも怪しいところだ。途中で倒れてはないだろうかと少々心配でもある。
「……………つ、ついたーー!」
前の人から5分のロスで原さんがたどり着いた。あとは友喜だけ。
「あーおせぇな友喜のヤツ」
寺坂くんが言う。
「そう言えばあいつ長距離走苦手だったな。足は速いくせに体力なさおだもんな」
「あいつ普段飯食ってんのかってぐらいほっせーもんなー」
今度から沢山食べさせようと考えているうちに残り時間5分を切ってしまった。
5分…………………4分…………3分……………
「はあ…………はあ………はあ………遅くなって………すみません…………」
☆☆☆☆☆
俺が着いた頃にはみんな揃っていた。残り時間があと2分だったようでギリギリだった。
「お疲れ、友喜。」
渚がペットボトルを渡してくれた。
「ありがと渚」
俺はそれを全部飲み干した。