第3章 E組へ
放課後。クラスメートたちはいいひとばっかりだった。女子も男子も隔たりなく、仲の良いクラスだった。
まだ残って殺せんせーの暗殺計画につい話し合うという渚たちに手を振り、帰ろうとすると俺の目の前を立ちふさがる寺坂竜馬。
「久しぶりだな、友喜ちゃーん」
その様子を緊張した様子で見守るクラスメートたち。だけど俺はその雰囲気を壊すかのように言った。
「久しぶり、竜馬ちゃん」
それにみんなはてなマークを浮かべ、竜馬の後ろにいるいつもの2人組は笑い転げた。
「ぎゃははは!!何お前寺坂をちゃん付け………ゲホゲホ」
「竜馬だって、俺をちゃん付けしたからその仕返し」
「なんだよ。お前もE組に、落ちたのかよ。B組の優等生ちゃんがよ」
「優等生じゃないから落ちたの。」
「まあ同じ、ENDのE組同士仲良くしよーぜ。久々に村松のラーメンでも食いに行くか。」
「おっ!友喜来んのか!?また手伝ってくれよ!ラーメンまけてやるからさ。」
竜馬が俺の手から鞄を取ろうとするが、俺はその前に鞄を別の手に持ち変えた。
「残念だけど、今日は先約があるんだ。また今度。」
そして俺は校門で先に待ってる叔父さんの元へ急いで向かった。
☆☆☆☆☆
「あーあ。寺坂たちふられてやーんの」
笑顔で駆けていった友喜の後ろ姿をぼーっと見つめる3人に中村莉桜が茶々を入れる。
「しっかし、渚に次ぐ男か女かわからんやつだったよね。」
「しかも烏間先生の甥っ子さんなんだって!」
「へー似てないな」
「しかもまさかの寺坂たちと普通に喋るってね。驚いたわ。」
「はあ!?なんだよ、文句あんのか!?」
「べっつに。ただ見かけによらず度胸はあるなーって」
「ねー。黙ってると人形みたいで可愛いのにね!」
放課後は新たな転入生で持ちきりだった。