第7章 ユウガタのウサギ
★☆★☆★☆
神威side
俺はいつも通りに起きて、いつも通りに服に着替えて、いつも通りにご飯を食べて、いつも通りに書類に判子押して、いつも通りにトレーニングして…
いつも通りにサクラの部屋に向かう。
サクラの部屋は他と比べて指紋認証式じゃないから、ドアノブを回すと勝手に入れる。
薄暗い部屋。
誰もいない部屋はこんなに空っぽなのか。
ベッドでゲームしながら横になる姿が見えないだけでこんなに空っぽなのか。
サクラ宛に送られてきた段ボールはまだ未開封のままテーブルの上に置かれていた。
本棚にぎっしりと詰め込まれているゲームソフトもCDも漫画も、使ってくれる本人がいなくてただ埃をかぶるだけ。
「……」
サクラがいないと発覚して2日が経った今。
いつも部屋から出てこないサクラが脱走したって気づくものは数える程しかいない。
サクラの仕事は游燐が難なくこなしているし何の不調もない。
第七師団の連中の中には、諦めている奴は多々いるし、普段の俺だったら無視している。
だけど、
_____面白いねェ、神威は!
_____…神威、邪魔しないでよ
だけど、早く帰ってきてほしいんだよ。
早く、ここでゲームしていてくれ。俺をいつも通りに戻してくれ。
_____神威っ!
気づきたくなかった。こんな感情。
いつも通りが上手くいかない。
ギュッと手を握りしめた。
今頃何をしてるの。俺に黙って1人でのこのこと地球に転がり込んで…
どれだけ自分勝手なんだ。どれだけ心配させれば気がすむのかな。
失ってから気づく、ってよく言うよね。
どうしてくれるの。俺の殺し作法の笑顔が作れない。焦ってるのか何なのか。
クシャと自身の前髪を掻き上げた。
「……ははっ」
好きだよ。サクラ
★☆★☆★☆
〜〜
今頃自覚するんかーい!ってね(笑)
もうここでブッコメー!という思考回路←