第7章 ユウガタのウサギ
★☆★☆★☆
「どうするんでしょうね、サクラ幹部」
「さぁな。俺らの望む結果は与えられなさそうだ」
「…地球で、何をしてるんですか」
「俺に聞かれても困るんだが…」
「すみません。けど、少ない情報でも集めたくて…」
「ならいっそ、游燐が行ったらどうだ?」
「…いえ、私が春雨(ここ)にいなくなったら誰が書類整理を?あ、副団長が「悪かった」」
游燐はふふっと笑うと手に持っていた紙の束を確かめるようにギュッと力を込めた。
「3日間の我慢だ。頑張れよ游燐」
「はい。副団長も」
中央ホールで游燐と阿伏兎は別れた。
阿伏兎は長い廊下を抜け、周りを見渡し人影が少ない事を確認した後、もう使われていない物置に身を隠した。
懐からタッチパネルのタブレットを取り出した。パッと画面が明るくなり、目当ての名前を探す。
★☆★☆★☆
万事屋ですき焼きを食べた。
グツグツと煮えてきたところで、みんなの目の色が変わり、そこから争奪戦。
私は少し引き気味で笑っていた。
新八くんと後片付けをして、少し落ち着いたところで新八くんは帰宅して行った。
一番満腹になった神楽ちゃんはお風呂に入った後もう寝室となっている押し入れで爆睡。
銀さんは神楽ちゃんに続いてお風呂に入っているところだ。
私はソファでお茶をすすりながら小型のタッチパネルを弄っていた。
『…あ、明日は任務があったんだ…代わりに游燐がやってくれるのかな〜。帰ったら殺されそう…』
PLLL…
『また電話、…阿伏兎?』
鳴り続けるそれを手に、私はそっと万事屋を後にした。
確か向こうに川沿いがあったような。
「……」
★☆★☆★☆