第3章 吉原炎上篇
私達は崩れ落ちてない部分に移動し、多分殺ったであろうさっきの人達と崩れ落ちたパイプを見届けた。
「銀さんんん!!皆ァァ!」
『うわーお。なかなか凄いことしちゃったねぇ私達!』
恐る恐る下を覗くとお店の屋根も破壊し、煙たい。
「やり過ぎたかね。うるせーじーさんに、どやされそうだ」
「大丈夫だよ。鳳仙の旦那はこんな街より花魁様にご執心だ。この子を連れて行けば機嫌も直る。」
『鳳仙の旦那がそんなに大事にする花魁かぁ。一回見てみたいなぁ』
ここで阿伏兎は神威を見た。
「知り合いでもいたか?」
『え、神威、どこに知り合いなんていたの?』
「…いや、もう関係ないや」
行こう、と呟いた神威の後に続き歩み出した。
*
鳳仙の旦那の元に向かう途中、神威は自ら付けていた包帯を取った。
整った容姿の神威の素顔が現れた途端に、吉原の花魁達は私達を囲む。
「お兄さん、サービスするよ〜!」
「旦那!こっちに寄って行かないか〜い?」
花魁達は腕を絡ませると、グイグイと力強く引っ張り出す。
『いやぁ、みーんな可愛いね!どーする阿伏兎!』
「ったく俺達は鳳仙の旦那に会いに行くんだぞ?そんな暇はないからね!?」
『…え、そなの?』
「サクラも団長も鳳仙の旦那には俺達が行くってことは伝えてるから、結局は行くんだよ」
『あ〜…マジか。じゃあ遊べないね。ごめんね皆ー!』
「「えぇ〜〜!」」
悲しそうな顔をする花魁達を見て今度一人で来ようかな、とか思いました。(作文んん!?)
『さっきから一言も喋ってないけど…晴太くん気分でも悪いの?』
「え!?」
ずーっと下を向いて歩いていた晴太くんに声をかけた。
歩き疲れたのかな?うーむ。まだそんなに歩いてないと思うけど…
「鳳仙の旦那の所までもうちょっとだ。それまでは頑張りなよ」
『あれ?珍しく神威が優男。ってか、神威なら即座に殺すと思ってたんだけど。意外。』
「俺は子どもと女は殺さないタイプなんだ。」
『へぇ!私は真逆だなぁ。男の人(イケメン)とシニアは殺さないのさ!』
阿伏兎は「(イケメン)っての気になったが……シニアってなんだよ!他の表現なかったのかよ!」と心の中でツッコミを入れた。