第7章 ユウガタのウサギ
私1人乗せた小型操縦機は着々と青い星に近づいていく。
『楽しみ〜♪』
慣れない操縦を良くここまで出来た。私ってやれば出来る子!
そうして、数分後、小型機が地球のターミナルへと着陸した。
肩に背負っていたマントを操縦席に置いて、立てかけていた番傘を手に持つ。
ゆっくりと開いた扉から出て、ターミナルの建物も出た。
陽射しが強くて、うっと目を細めた。
手元にある傘をさし、夜兎族の天敵を睨みつけてやった。眩しい。
さて……。
『いや〜こんな簡単に抜け出せるとはね!春雨もチョロいな!』
まずは、神威が自慢げに話してた団子を食べに行くぞー!\(^o^)/
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「…っ」
春雨副幹部の游燐はだだっ広い廊下を走り回っていた。
中央ホールで目当ての人物を見つけると、走るスピードを上げた。
「副団長!…ハァハァ」
「おぉ どうした游燐」
「っサクラ幹部が朝から見当たらなくて、まさかと思い小型機の数を調べてみたらサクラ幹部が利用した履歴があって…!」
「…で、どこほっつき歩いてんだ」
「…っ地球、かと」
「サクラは地球に行ったの?」
「神威提督…!」
阿伏兎と游燐の背後に神威が現れた。
任務の帰りなのか、マントが少し薄汚れている。
「小型機の履歴にサクラ幹部が地球に行ったと残っていて…」
「…仕方ないな。阿伏兎、第七師団を使ってサクラを連れて帰ってきて」
「おいおい…勘弁してくれ団長。サクラを連れ戻すだけで第七師団を使うこともねェだろ」
「分かってないな阿伏兎は…」
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