第6章 将軍暗殺篇
相手は忍でも、私達は夜兎。
勝敗は見えていた。
『…あとは、あの3人?』
真選組の2人と、百地乱破。
彼らの背後には橋があるけれど、途中で通れなくなっていた。
ま、大方あの侍さん達を逃がすためとかね。
『夜兎(わたしたち)を10数人殺るなんてコレまた凄い侍さんが現れたもんですなァ』
でも、体力の限界が近づいてきてるのは気づいているのだろうか?
それを感じ取ったかのように、相手は口を開いた。
「どうやら これまでのようだ」
「すまなんだ。そなたら武士は将軍の側で華々しく散るのが本懐であっただろうに。
忍(われら)と同じく日陰に散る道につき合わせてしまったな」
「へっ どうせ土の肥やしになるなら花道だろうがあぜ道だろうが同じだ。なら、俺は大将の隣で死ぬ」
「フッ言ったな。ならば俺の背中、最後まで護ってみろ トシ俺が死なねェ限り、お前も俺をおいて死ぬ事はあるめェな」
「やれやれ…できるだけ潔く退場してくれる事を願うぜ」
「………あんずるな。どちらが先にいってもわしの傀儡術(くぐつじゅつ)で屍を操ってやるぞよ」
「ケッ 笑えねェ冗談だ」
そういうと共に残りの第七師団が襲いかかる。
「ッチ いくぞ!侍と忍の最後のあがきを見せてやらぁぁ!!」
ドォォオオン!!
空から落とされた爆弾。
それは第七師団を残り数人になるほどの威力だった。
私は半ば阿伏兎に護られ爆風を遮ったが、目の前には倒れた団員。
空を見上げると見た事のある船が浮かんでいた。
『ッチ 天導衆か…アイツら、全部知った上で高みの見物をして、この機をうかがってたってワケ?』
「ああ 俺達一橋派と将軍派をぶつけ消耗しきった所を叩くために」
私達の後方にはバカ多い天導衆。
「死肉を食らういやらしい烏どもが今なら俺達の目玉をついばれるとでも」
『…上等。夜兎の喧嘩に横槍入れてただで済むと思ってたの?』
阿伏兎とニヤリと笑い、傘を持つ手に力を込める。
「副団長!地球近海に待機中の部隊から急報が!」
「なんだ まさか烏が宇宙にまで飛んでいったか」
「いえ…!!
春雨です!!!」
『「!?」』