第6章 将軍暗殺篇
『よし。掃除完了!』
最後の1人を地面に踏みつぶすと、ピクリとも動かなくなった。
「これで心置きなく闘り合えるってもんだ」
『あとは、君の後ろに隠れてるお姫様だけだけど』
「邪魔者がいたんじゃアンタも思い切り暴れられないだろ」
ふふん、と陽気に笑って神威の隣に立った。
「オイ。能天気に四六時中傘さしてる奴は、宇宙共通イカれてんのかい」
「アンタも同じだろ?同じバカの目はごまかせないってね」
『待て、私はバカじゃない』
「そういう奴に限ってバカなんだよ」
自 爆。
返す言葉もなく、がくりと項垂れた。
『ま、アンタも神威も、本当は将軍の首なんて興味ないんでしょ?』
「アァ。血の匂いを嗅ぎつけてここにたかってきた、人殺しの目だ。」
君も、夜兎族なら幸せに暮らせたかもねェ。過酷だけど。と小さく呟いた。
『死と隣り合わせの戦場でしか生きてるって実感できない。…哀れだねェ、いくら悪党を斬ってもその乾きは癒えることはない』
この人と一緒!と笑いながら神威の肩を叩く。
代わりに腰つねられたけど。
「アンタは強者(オレ)を、俺は強者(アンタ)を捜してた。そうだろ?」
『安心してもいいよ。悪党しか斬れないって言うなら、』
ドォンッ
神威は自身の番傘を将軍の妹に向け、弾を放った。
その衝撃で姫は倒れる。
『神威(この人)はとびきりの悪党だから!』
神威の放った弾は男の刀で真っ二つ。カランとあっけなく床に落ちた。
姫は腰を抜かし、目には涙を浮かべていた。
「なら、当ててみな。次はここに」
男は自身の心臓に指を当てる。
「今度はよォく狙え。はずせばてめェのどてっ腹に穴があくぜ」
__宇宙の悪党さんとやら
「地球のおまわり なめんな」