第6章 将軍暗殺篇
ゆっくりと敵の艦隊が落ちていくとき、春雨の船から一斉にあっちの船に乗り移った。たったの10数人ほど。
刀とクナイを使ってるあたり、忍が先に船の中を片付けてるんだろう。
あたり一面、爆発が起こったり血だらけになったということは、もうそろそろ終わる頃。
「やってるやってる。すごいね忍って奴等は」
『数人潜り込ませただけなのにねェ』
「護衛艦もあの船も蹂躙し放題。まるで毛じらみだな」
『「何そのたとえ」』
神威は船の先頭、大砲の上にしゃがみ込んで様子を見ていた。
「侍以外にもあんな強い奴等がいたなんて、オラ ワクワクすっぞ」
「ワクワクしないで。仲間だからね、また変な気起こすなよ団長」
『そんでもってキャラ変えんなよー』
「解ってるさ。今回はシンスケと勝負してんだ」
『勝負?』
「誰が本物の将軍の首とるかってさ」
『そんなの、忍じゃないの?』
「俺達の出る幕もねェさ」
阿伏兎は、見ろ、と一言だけ言い、船に指をさした。
よく見ると、艦隊をたった1人で駆け回る女の子。
綺麗な着物を身にまとう姿は身分のいい証拠。
『んー?見たところ将軍の妹ってところかな』
「あァ。そんなビップに護衛一人ついてねェ」
将軍の妹は艦内の一室に入ると、すぐに手首から切り取られた手がポロリと床に虚しく落ちた。
だが、
その手を踏み込んで一室から出てくる男が一人。
「姫様〜見てくだせェ」
『「「!」」』
「あれがホルモン、あれがレバー、あれが…」
「キャアアアアやめてください!!」
男は先程の将軍の妹を隣につれ、片手に刀を持っていた。
「さて、次はハツかミノか」