第5章 ヒルのウサギ
コイツの胸ぐらを掴みユサユサと揺らす。窒息死しそうだけど無視。
「しっ知らねぇよ!」
『は!?嘘つくんじゃない!バーカ!この部屋で銃声がしたんだ!』
「ほっ、本当に、知らねぇ!俺がここに来たのは今お前らが入った後だ!」
『游燐は日付が変わると終わりって言ってたのに!?』
「そ、そんなの、でまかせだ!アイツ、なんか手間取ってたから、その時間にしたんだ…!」
「本当かい?」
「あっ、ああ…!」
『……』
コイツの胸ぐらを離し、咳き込むのを無視して首をつかむ。
『…この話を誰かに言ったことある?』
「は…」
『早く答えて』
「あ、あぁ…ある……」
『誰に』
「そ、それは…………」
*
游燐は目を覚ますと、柱に結び付けられていた。
目の前にはシャツを大きく開き、ミニスカートを着こなしハイヒール姿で立つ女。
「…雪南(ゆきな)……っ!」
「游燐…目、覚めた?」
「…!」
「ダメじゃない、游燐ったら。アタシ達の約束破ったら…」
____1度チームに入ったなら、死ぬまで抜けてはならない
「……っ」
「逃げれるとでも思ったの?」
雪南はふん、と鼻で笑うと游燐の足をハイヒールで踏みつぶす。
徐々に力を込めていく性格が雪南の嫌なとこ。
游燐は声に出さすに顔を歪ませる。
「く…っ」
「あの人に逆らうなんてありえない、游燐…覚悟しなさいよ!アタシ達あのチームにかかればアンタなんて…!」
鋭く伸びた爪を見せつけるように、腕を後ろへおおきく振りかぶった時
パシっ
『ゴチャゴチャ喋るバカ女は相手の自由を奪えないと戦えないんですか〜?』
「!?」
「っサクラ」
『おいこら。一応先輩なんだから、さんぐらい付けろーー!』
雪南は勢いよくサクラから離れた。
掴まれた腕を離す。
「誰よ!游燐!!」
『あ〜うるさい。キーキー声は好きじゃないんだよ。んで?この人誰?』
「雪南。…私の、元同僚ってところね。」
「っアタシの言うこと聞きなさいよ!」
『游燐今ねェ春雨(ここ)に勤めてるからアンタの言うこと聞かないんだわコレが』
ざんねーん(笑)と雪南の肩を叩くとすぐ払われた。