第2章 アサのウサギ
「依存症の説明書、の間違いじゃないのかい?」
『あれ、神威いつの間に後ろに…』
ドガシャァァ!!
神威に見事な背中に回し蹴りされた私は、吹っ飛ばされて入口の扉に叩きつけられた。
「優しくすると調子にのるから厳しく躾ける。サクラにはコレが丁度いいよ」
『…げほっ。…血の味する…神威ー!もうちょっと手加減してよ〜』
「俺に手加減なんて言葉はないよ」
『なに名言みたいに語ってんだ!バカヤロー!』
ヒュン…ッ
『言ったでしょ』
神威の足元まで行って、番傘で足首を払う。
『相手に合わせて強くするのがマナーです……お返し☆』
体制を崩した神威に回し蹴り。
宙を舞った彼は空中で立て直した。
「俺はそんなに弱くない」
『あ、やっぱり?神威は弱点が無いからなぁ。』
ずっと表情崩さないし?笑顔だし?ポーカーフェイスってやつ?うん。
『面白いねぇ、神威は!なーんか興味持ったよー!』
ブシャァァ…
「…あり?」
『やっぱり超痛い。』
「なんで、自身の首なんか」
『神威の焦る姿、見たいと思ったからかな! で、どうする神威くん?このままだとー…』
死んじゃうよ?私。
『放置する?阿伏兎のとこ連れてく?…それとも、その手で…殺す?』
「…それはいい考えだ。でも、俺もサクラのコトは前から興味持ってたからね。殺すのはもったいないな。」
『…ふぅん。なーんだ…かる〜く殺すのかと思ったんだけど』
意外な返しにビックリしながら手についた自身の血を舐めた。
「おーい団長、サクラ。もうそろそろ着く…って何だこの部屋は!?ったく…重力何倍にしてんだ」
『「あ、(重力のこと)忘れてた」』
急いで重力操作を弄くり、もとに戻すと部屋を出た。
「おい…サクラは何があったんだ…」
『え?あぁ首(コレ)のこと?うーむ。何でだろうね〜自分でもよく分かんないのよ〜。』
もう血は止まってるだろうし、大丈夫じゃね?うん。大丈夫だ!←
「良くねェよ!血は止めとけ。そんでもってガーゼで…」
「阿伏兎は心配性だね」
『お母さんだね』
操縦室に着いたら、阿伏兎が全部やってくれた。うわお。第七師団のお母さーーん!!
【アサのウサギ END】