第5章 ヒルのウサギ
ってことで、ここは提督室。
この部屋の主はお昼ご飯と呼ばれる量ではない量をガツガツ食べる。
スピードなんて止まらない。
『神威の推薦って…どー見てもダメっしょアレ。私には相性が悪いね!!…ってちょ、聞いてる?』
「ふぃいてるさ。ようふるに游燐がふぃにいらはいんはろう?」(聞いてるさ。要するに游燐が気に入らないんだろう?)
『…ま、そゆこと。』
「サクラにとってみたら痛い女に見えるのさ」
『阿伏兎それな。とりあえず、あの喋り方は殺すレベル』
神威は口に含んだ食べ物を飲み込む。そうして、目をハッキリと開けた。
「いい人材だよ。頭脳派で良く働くしね」
『それは私も思ったけども!サラビン大学卒業って賢いの当たり前だけど!』
「そう思えばサクラより游燐の方が幹部に合ってるな」
『こら阿伏兎ォォォ!!経験値は私の方が高いですー!』
「そうだね。書類提出も、サクラより早いわけだし」
『アンタら仕組んでるだろ絶対』
…ってか書類提出ってなに。私、そんなのやった事ないんだけど!!(全て破棄してるため)
「言っておくが、游燐は幹部試験だってしてんだぞ」
『…そなの?だって神威の推薦って…』
「それを見て、推薦したんだよ」
『へェ…。どんな試験だったの?』
阿伏兎はため息を吐きながら懐から一枚の紙を取り出した。
「第一科目に筆記試験。元老(うえ)の直々テストを受け、2000人中10人に絞られる。第二に薬物の調合。100年に一度咲くといわれる薬草に、用意された7種類の中から1種類だけ調合した薬草の結果で、10人から3人に絞られる。第三に取引先へ交渉。自身で春雨と同盟を結んだ取引先へ武器や麻薬、人材の交渉だ。これで残ったのか2人。最後に第七師団と組手。その2人で第七師団50人相手にし、倒した数で決まる。」
分かったか?と阿伏兎が私に問いかけた。
『「…zzZ〜〜」』
神威までもが睡眠に入った。私は立ちながら寝ている。
「聞けよッッ!!!!」