第5章 ヒルのウサギ
アホ提督がバカ提督に変わった。
つまり、阿呆提督が神威提督に変わったのだ。
え?私?
なーんにも変わってません。はい
幹部から幹部に。です。
そんな私の前に一人の女性。
「新しく春雨幹部に所属することになった、游燐(ゆうりん)だょッ♡」
ょろしくねッ♡とキラキラ笑顔を見せつけられた。
…ピキッ
『ねぇ阿伏兎、こいつ殺してもいい?』
「いやダメだ」
「ゆーりんの事ゎ、“ゆーたん”でもぉ“ゆーぽん”でもぃぃょ?」
ピキッッ
『シネまじで。』
「サクラ抑えろ」
「いゃん♡サクラ幹部って、こゎいねッ」
『その変換なんとかしろ。そんでもって消えろ』
額に怒りマークが増えてゆく。
「ぅーん。。これゎ、ゆーりんのトレードマークだからゴメンね♡」
『謝る前に帰れ』
「サクラ、これでもこいつは団長の推薦だ…」
『はっ?神威は目に泥でも塗ってるの?』
「ゃぁーん♡サクラ幹部ぅもっと優しくッ!」
ピキッッッ!!
「!サクラやめろ!」
『…………コロス』
ドォォォォオオン!!!!
*
ツカツカと早歩きで阿伏兎と提督室へと向かっていた。
非常に私は怒っている。
なーんでアイツが私の部下になるの!?こっちが願い下げじゃバカタレ!!
『…会議部屋の修理費はあの“ゆーれい”もちで』
「游燐だ」
『なんなんだ!!あの女!私が一番苦手な分類ナンバーワンッッ!!』
力強く壁を蹴った。これもアイツもちだ。
落ち着けとあやされ、阿伏兎に渡されたアイツの資料を見る。
『サラビン大学卒業…って宇宙でトップレベルの大学なはずだよね、凄いじゃんアイツ。』
「それだけじゃねェ。実家が会社を営んでいる。あの有名な銃剣傘だよ」
『銃剣傘ってブランド会社じゃん!ますます凄いわ…』
少し関心していたとき、後ろに気配があった。
立ち止まり後ろを振り向く。
『…?』
「どうしたサクラ」
『んーん。なんでもー?』
そう言ってまた歩き出した。
「……」