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【銀魂】ヨルのウサギ

第4章 丁か半か篇



【神威side】




無我夢中で、俺はサクラを抱き上げたまま全力疾走で医務室に運び、ベッドへと寝かせた。



「神威団長…!?」


「どのようなご用件で…っ」


「説明は後にする。今はこいつを治してよ」


「は、はい…!」



医務員はテキパキと私の症状を調べはじめた。

俺は近くにあった椅子に腰掛けてその様子を見る。

サクラの腕には点滴。口元には酸素マスク、上半身には脈拍装置など次々に取り付けられてゆく。



「(そんなに重大なのかい?サクラも夜兎だから直ぐに傷は治るはずだ)」



俺はしびれを切らして近くにいた医務員へ話しかけた。



「ねぇ。サクラは大丈夫なんだよね?」


「…そ、それが…神威団長…」


「なに。」


「サクラ幹部、およそ三日間何も飲まず食わずの生活だったとみられ…非常に危ない状況です」


「飲まず食わず?」


「はい…応急処置として、ビタミン栄養剤を注入していますが…」


「もしサクラが治らないなら、殺しちゃうぞ」


「ひっ…!全力を尽くします!!」



医務員は怯えながらサクラの元へ戻るとまた作業を再開した。











15分後、このまま安静に。と言われサクラはベッドの上で寝かされたままだった。酸素マスクと点滴を付けたままで。

医務員は負傷した師団の仲間を処置しに行った。

俺はサクラの傍により、以前よりほっそりとした手を握る。



「そう思えば痩せたね。」


『………』


「三日間ってことは俺が捕らわれてた期間ってこと…、間違いない」


『………』


「あのアホ提督に何されたの?サクラ。お前なら逃げることも可能だったはずだ。」



サクラの手をよく見ると、治りかけの傷跡。それは首筋にもあった。

優しく、壊れないように、首筋の傷跡を撫でる。



「…大丈夫だよね。またいつものサクラに戻るよね?
そんな簡単に殺られるサクラじゃないって………」


………俺、信じてるから。







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