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【銀魂】ヨルのウサギ

第4章 丁か半か篇




『(私も暴れたいんだよねェ…)』


指をボキボキならしながら、鬼兵隊と第七師団が圧倒的な力で戦う姿を上からまじまじ見る。



『阿伏兎は〜?おっいた。』



後ろに団員を連れて戦う阿伏兎。視線を送っていると向こうも気づいたようだ。
ニヤリと笑った私は、手すりに足をかける。



「おいサクラ!?」


『阿伏兎ォ。ちゃんとキャッチしてねーー』



わたわたと焦る阿伏兎をよそに、私は5mはある高さからジャンプした。

その瞬間、さっきクソジジイと勾狼が通って行った廊下から強い爆風が背を押す。



『うおっ(ッあんのアホ毛〜!)』



予想以上に飛ばされたけれど、しっかりと阿伏兎が受け止めてくれた。

抱きしめる形になったがそれは一瞬で。私は阿伏兎の両肩に手を置き、そのまま逆立ちして地面に降りた。

着地と同時にクラリと視界がまわり、立て直す。



『っあっぶねェ〜!』


「このすっとこどっこい!大人しく座っとけ」



あははと苦笑いし、目の前に迫ってきた敵をぶん殴る。
阿伏兎もそれに気づいて傘を振り回す。



『まぁまぁ。頑張ろうねー』


「当たり前だ!サクラ、無理するなよ」



わかってる、と言葉に出さなくても、阿伏兎と背中合わせになるだけで伝わる。

お互い、ニヤリと笑って目の前の敵を叩き潰す。



『アホ提督はもう神威(バカ提督)に始末されちゃったみたいだし、諦めな』


「っ幹部!?」


「第七師団につくのか貴様!」


『うるさいな。私は私のやり方があるから。黙ってそれに従ってなよ、あははっ』



次々と現れる敵、段々と辛くなる呼吸。

それでも、楽しくて仕方がなくて動きは止められない。笑いも止まらない。

身体中、誰のかも分からない血まみれで。
笑い声も大きくなってゆく。



「サクラ!」



阿伏兎が私の異変に気がついて、近づいてくる。目に映ったのは伸ばされた腕。



『…アハハッ』



ガシャン…


地面に阿伏兎の左腕が落ちる。
幸い、偽物の腕だったので血も出ない。

目を見開く阿伏兎は私のした行動に声も出ない。



『足りないねェ』



鬼兵隊の奴らは気づいてない。
他の第七師団は残りの逃げた敵のあとを追っていった。


だから、私の相手は目の前の

阿伏兎しかいない。

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