第4章 丁か半か篇
翌日、案の定あのアホジジイに呼び出されたが行くわけがない。
今日は大事な日だから。
『……ふーッ』
部下から渡されたダンボール。
その中には色とりどりの箱。箱に傷がつかぬよう慎重に開ける。
『……キタ!
待望のアキラ様オンリー乙女ゲーム!!』
これまた慎重にカセット取り出し、さっそくPSPによみ込ませる。
画面上にはオープニング曲や、高画質なイラスト、その他さまざまな素晴らしいものが流れる。
ベッドの上で脚をバタバタさせたり、顔を覆ったり忙しい。
ガチャ
『!』
ノックも無しに扉を開け、アホ毛のようにズカズカと入ってくる派手な着流しを身につける男。
ゲームを一時中断し、ヘッドフォンをポイとベッドに投げる。
『…』
よいしょっと身体を起こした。
「春雨幹部、サクラってのはてめーか。」
『…何か用ですか』
「アホ…阿呆提督が自慢する女。…それほど品があるとは言えねェな」
『初対面の人に失礼だから。あと、言い直さなくていいよ。あの人元からアホだしジジイだし。』
「ククッ 幹部という仕事も見た目だけか」
『でも快適に過ごせてるから文句無し』
「なら…もっと快適にしてやる」
『!』
目の前をスレスレで通る刀。
寝床を踏み台にし飛びかわすと、ベッドは見事に真っ二つになった。
『…言葉も失礼なら行動も失礼だね。…ふざけんなよ』
ソファに立てかけていた番傘を手に取り銃口を相手に向ける。
「一応、幹部につくための力はあるらしい」
『…そりゃ、前幹部はあの夜王だし。んで?本当の用はなに。』
「…てめーら夜兎の血は危険すぎるとアホが言ってた」
『…夜兎の血が危険?…まさかッ!!』
「ククッ…察しが早ェ。」
『阿伏兎達、第七師団は任務に行っていて神威と一緒じゃない!アンタらそこを狙ったな…!!』
その途端、扉が破壊され、ゾロゾロとボウガンを持った奴らが私を狙う。
その中で団長服を着ている天人が前に出る。
「サクラ、阿呆提督から直々に呼び出しだ」
『第八師団…アホジジイに手を貸しているんだね。じゃあ誰かあのアホジジイに言っておいて!
__今から敵をお片付けするから出向くのは遅くなりそうって!』