第4章 丁か半か篇
コンコン
誰も来る予定のない日。
数少ない知人の中で思い当たる人はいなかった。
コンコン
『(今からゲームするのに…もしも呼び出しくらったら…面倒だな…)』
コンコンコンコン
『(はよ帰れ)』
コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン『なんでしょーかァ!』
バァァンと思いっきり扉を開けるとニコニコアホ毛がいた。
「やっ。サクラ。もう少しで扉壊しそうになったよ」
『一回地獄を見てこい神威クソボケ』
せっかくの休日(年中休日)なのにアホ毛に邪魔された。このバカヤロー
ズカズカと遠慮無しに部屋へ入る神威にため息をつきながら後を追った。
つーかなんでコイツいるの。
私は持っていたPSPをポケットに仕舞い、ソファに座った神威を見た。
『何の用でしょうか。第七師団団長様。(私は今からアキラ様とランデヴーなんじゃさっさとどっか行け)』
「明日、アホ提督から呼び出されててさ。幹部様もどうかと。(ランデヴーなんてまだ夢見てるのかい?いい加減、現実の男見つけなよ)」
『呼び出されたのは団長様でしょう。何故わざわざ私が?(ふざけー。現実に呆れてるから二次元でランデヴーするんだよバーカ)』
「前に一度、アホ提督に春雨幹部も一緒に。と言われていたからさ。(サクラの場合、ランデヴーじゃなくてシネデブーだけどね)」
『あ、それはまた今度の機会にお願いしまーす(おいコラ今なんつった。シネってなに。ってかこれでも私、痩せてる方だからね)』
「その時はもう俺が提督になってる頃じゃないかな。(うわ。サクラが自意識過剰女だったなんて。キモいよ)」
『…でもそれはまだまだ先の話ではありませんかねー。(誰も言ってくれない代わりに自分に言い聞かせるくらいしかないんだよ)』
「それはどうかな。近々なるかもしれないよ(それ痛い子だね。ドン引き。そこまできたら病気だね)」
『そんな簡単に〜?あははっ!提督は譲る気なさそうですが…(痛い子言うな。っていうか破壊神に言われたくねーわ)』
「アンタらなげーよ!」
『「あ。阿伏兎」』
「何で心の中で会話できてんの!?」
開いたままの扉から阿伏兎が出てきた。