第2章 アサのウサギ
あぁぁ……アキラ様がーーー………。
『で、どこに向かってんのコレ。』
「小型機だよ」
『へぇ…小型機ね。……え?、エェェ!!?小型機ィィ!!?』
「サクラ、耳元で大声出すなよ…」
『あ、ごめん阿伏兎…。…じゃなくて!小型機って、あの、まさか…』
「そのまさかだよ」
バッと進む方向を見ると、神威はニッコリとしたあの笑顔で「地球に行くんだ」…そう言った。確かにそう言った。
『ま じ か』
「団長の命令だ。ありがたく受け取っときな」
『どっこがありがた〜いんだよ!欠片もない!』
やだやだ〜!私はまだ寝てたいんだー!と脚をバタバタさせると、阿伏兎にお尻を叩かれた。痛いし手加減なしだし、セクハラだ!
『うわーん!誘拐だぞ!これは誘拐d「うるさいな」ぐほっ』
しまいには神威に衣服を顔面に叩きつけられた。
…クンクン。あ、これって私の服じゃないか!!持ってきてくれたのか!
私服を手で抱えると、神威はまた歩き出した。
「サクラは黙ってついて来たらいいんだよ。それに、地球に行く理由なんて鳳仙の旦那に会うだけさ」
『あ…そうなの?』
「…それと、美味しいご飯を食べることだね」
『「それが八割だろ」』
「まぁ鳳仙の旦那にいっぱいご馳走してもらおうよ」
『私、行かなくてよくね?』
こうして…(どうしたもこうしたねーよ!) 小型機に乗って地球へと出発した私達。
トイレでさっさと着替えた私。
言ってい?言ってい?ねぇ…なんで神威と色違いなの?色真逆の服着てるの?ねぇなんでー!?それに、
『鳳仙の旦那に会うだけなのに、番傘持ってくのはなんでー!?』
「俺たちは夜兎だから危ねえだろ?持っとけ。すっとこどっこい」
『…ふむ。…はぁい』
「そんなシールだらけの番傘、ちゃんと使えるのかい?」
『使えるに決まってんじゃん!アキラ様と私の愛のパワーで…「鳳仙の旦那は吉原にいるし、パパッと終わらして帰ろう」聞けー。』