第3章 吉原炎上篇
階を上がり、一番奥の部屋に日輪がいる、という情報をもらった私達はその通りに進んでいるけど…
『行っても行っても百華ばっか。本当にこの道であっんの?』
「多分ね。」
『もしこの情報が嘘なら百華全員殺すからね私。』
ウサギと月の大きな飾り物。その周りを囲むように出来ている渡り廊下。
そこから血だらけの百華達がなだれ落ちて行く。
「日輪様の元へ行かせるなァ!!」
「ここで何としても食い止めろォォ!!」
湧いて出てくる百華の連中。
「しつこいなー」
『血だらけにされたくなかったら引っ込んでて。』
「女を殺すのは趣味じゃないんだよ。女は強い子を産むかもしれないだろ?」
『え?もしかして神威、この人達の子供に期待してんの?』
「…してない」
威勢のいい奴も、強さに怯える奴も、影から狙う奴も、みんな血祭りにする。
「やっやめろォォ!お前らそんなに人を殺して何が楽しいんだ!!なんでそんなヘラヘラ人を殺せんだよ!」
『「ひどいなァ」』
「ここまで連れてきてあげたのに。」
『それにこの人達、日輪を吉原に閉じ込めてたんだよ?』
「頼んだ覚えはねぇやい!!」
晴太は角から半分身を出してこっちを伺うように見入る。
「笑顔(コイツ)が俺の殺し作法だ。どんな人生であれ最後は笑顔で送ってすこやかに死なせてやらないとね」
『グロい殺し方するやつに限って綺麗事並べるのやめてくださーい。』
「逆に言えば俺が笑いかけた時は殺意があるととってもいい。」
そう言ってニヤリと笑う神威を見て晴太は隠れる。可愛いなコラ。
『晴太、これ冗談だからね。』
神威は床に倒れた百華たちを跨ぎながら奥の部屋へと脚を進めた。