第3章 吉原炎上篇
『ハァァァァァァ………アキラ様が……私の…アキラ様様様〜〜。あのスマイル120%(シール)のアキラ様〜私の嫁ェ〜…』
「俺も壊されてるからね!?」
『だって。傘につけたアキラ様にあんな穴が顔面にアクナンテ……。あ、それに、日に当たったらアウトだね。』
「ここは吉原だ。日に当たることなんてないよ」
『原因がなんか言ってる。そしてアキラ様のことはスルーするなオイ』
屋根から飛び降りた後、結構下の階まで降りて、一部屋に居座った。
阿伏兎が負傷した左手を手当てする。
『つーか神威。さっきあんたの手が私の首元に当たって頭クラクラすんだけど。どーしてくれんの?え?』
「サクラ怪我してたのか?!」
『いや、そんな心配しなくても大丈夫だよ阿伏兎。』
「そうだよ。サクラは不死身だからね『違うわ』」
丁度、阿伏兎の腕の手当てが終わった頃、この建物の入り口で大きな爆発音があった。
ピリピリと神威のアホ毛が揺れる。
『あ、神威のアホ毛センサーが揺れてる。』
少し開いた襖からドタバタと百華達の姿がちらほら見えた。
子供だ侵入者だとドタバタ騒ぎだ。
「侵入者?たいした騒ぎだね」
『「アンタが起こした騒ぎよりましだ」』
「なんだよ。まだ怒ってんの?過ぎた事は忘れないと長生きできないよ。」
『いや、阿伏兎の腕無いからね。』
神威は屋根側に座り、脚をぶらぶらさせる。のんきだなこのバカ。
「商売なんざ興味もねーくせに珍しくついてくる、なんていうから、おかしいと思ってたんだ」
『神威、最初から旦那とやり合うつもりだったんでしょーー!』
「へへ。バレた?」
『「バレたじゃねーよ!」』
『めんどくさい事に私を連れてくな!「サクラ、心の中丸見えだ」…スンマセン』
「ったく。おかげで取り引きも何もメチャクチャだ。」
『あの晴太くんは騒ぎの最中に逃げちゃったしねぇ…ロープ縛ったままだったのに。』
「あー、あの子共のことか。スッカリ忘れてた。たいしたもんじゃないか。あの中を逃げ出すなんて、将来が楽しみだね」
『「感心してる場合か」』
声揃え過ぎてムカつくからやめて、と神威に一喝された。なんで。