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【銀魂】ヨルのウサギ

第7章 ユウガタのウサギ







私は走り出していた。
身の危険なんてどうでも良かった。ただ、父と母の側にいたかったのかもしれない。

後ろで阿伏兎が何か言ってるように聞こえた。


駆け寄る私に気がついたのか、2人は目を見開いて叫んだ。



「サクラ!」


「何故ここに…!」



私を護るように必至で相手の攻撃を避ける。


ふたりに抱きつくように飛びついた。
お腹あたりに顔を押し付けたあと、離さないように服の裾を握った。



でも、その直後に



2人の背から溢れ出す血を見た。



『あっ…あっ…ママ、パパ……』


「後ろが、がら空きだ」



黒いマントを身につけ目元しか見えないが、声で男の人だと分かった。男の手には血がべっとりついた刀。



「っサクラ!早く逃げなさい……っ」



嫌だ、と言う前に、何処からか現れた阿伏兎に抱えられる。



「頼んだ、阿伏兎」


「…おう」


『嫌だっ!離して…っ!』


「サクラ、……幸せになるのよ?」


『やめて…!ママ パパ!』



阿伏兎は私を抱えたまま敵を避けて扉まで走って行く。



『阿伏兎離して…!ママとパパが……っ!』


「残念だが、その2人からの頼み事だ。できねェ」



後ろを振り向き両親の姿を見た。

2人は背中のダメージが大きいのか、動きが鈍く、相手の攻撃を避けることで精一杯のようだった。

すると、先ほどの男と部下と思える女が両親の首に刀を突きつけた。



『いや、いや……』


「ッ見るなサクラ!」



阿伏兎が私に目隠しをしたが遅かった。

私が気を失う前に見たのは


両親の首がはね飛ぶ姿。




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