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連れ立って歩くー干柿鬼鮫ー

第11章 飛び出る災難


「待て、待ってくれいの。オメエがいなくなったらコイツと話せる人間がいなくなる。やめてくれ」
「アタシも話通じてないって。もォ波平さん呼ぼうよお」
「無理だよ。あの人あれで忙しいでしょ」
いのの陰に隠れて藻裾から距離をとっていたチョウジが、おどおどと口を挟む。それを腕組みした藻裾がチラと横目で見た。
「あれでとは何です?あの人はあれで私達の長ですよ?言葉に気を付けなさいクソガキが」
「自分であれ言っちゃってんじゃん」
「言葉に気を付けんのはアンタだって」
「やかましいわ。おいそこの」
藻裾は唖然としている部下たちの目の前で、カンクロウに偉そうに顎をしゃくった。
「ここらで眼鏡の鶏ガラを見なかったですか?このシカマルとかいうのの頭に食えない団子を載っけたみたいな女ですよ」
「・・・なにソレ髷ゆった奈良って事か?ぷ」
「・・・おい、何笑ってんだよ」
「髷でもハゲ何でもいいだろうがよ。細けえ男だな・・・で?見たのか見ないのか?」
「見てねえよ。二週間はここらにいたけど、アンタら以外誰にも会っちゃねえ。まして奈良に似た女なんて面白ぇもんは残念ながら出ちゃいねえよ。・・・そいつが何かしたのか?」
「チ。逃亡者だよ、ランナウェイ。見かけたら取っ捕まえて連絡して下さい。褒美に薬をくれてやりますよォ、チェケラッ!!」
「薬ィ?」
「薬じゃ不服か。じゃ何もやらねェけど捕まえたら連絡下さい。木の葉まで夜露四苦ぅ!」
「・・・ブッ。な・・・コイツ何?」
「色々事情があんだよ。一応任務で人探ししてんだ。マジで見かけたら頼むわ」
シカマルが片手で拝むような仕種をして言った。
「カンクロウはこんな山中で、ぞろぞろ人従えて何してんの?」
チョウジの問いにカンクロウは苦笑した。
「俺も一応任務中じゃん」
「・・・隊長、この人たちは?」
恐る恐る尋ねてきた部下にカンクロウは頭を掻いて答える。
「ちょっとな。木の葉の知り合いじゃん?」
「はいぐずぐずしない。次々行くよ。動け動け。止まったらしばき倒しますよォ」
一切の空気を読まない藻裾がパンパンと手を打って三人を急かした。カンクロウを睨み付けて、
「今日のところは忙しいから見逃してやっけどな。今度会ったらこないだの礼をしてやっから覚えときなさい」
「・・・それこっちの台詞じゃん?」
「こないだって何だ?知り合いか?気の毒に」



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